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来月以降の新米価格は上がる?専門家の見立ては コメ作り 価格おさえるための新たな取り組みも【Nスタ解説】

経済
2025-08-20 20:44

来月から流通する新米の価格の見通しについて、農家やスーパーの店長、経済評論家などに取材しました。


【画像で見る】「新米はいくらに?」専門家ら5人のそれぞれの試算は


これから新米の季節 気になるお値段はどうなる?

出水麻衣キャスター:
「きょうのお値段」は先日発表された全国のスーパーなどで販売されたコメの平均価格「3737円」。


8月4日〜10日のスーパーでのコメ(5キロ)の平均価格は、前の週から195円増えて、3737円となりました。この価格は銘柄米とブレンド米の平均です。

銘柄米とブレンド米を個別にみると、備蓄米を含む「ブレンド米」の平均価格は徐々に下がっているのに対し、銘柄米はほぼ横ばいとなっています。


【スーパーでのコメの平均価格】8月4日~8月10日
(株)KSP-SPが提供するPOSデータに基づき農林水産省にて作成

▼銘柄米:4239円(前週+37円)
▼平均:3737円(前週+195円)
▼ブレンド米(備蓄米含む):3190円(前週+191円)


出水キャスター:
コメの価格で注目すべきなのは、新米が本格的に出回る9月以降の値動きです。

すでに、JAから生産者に前払い金として支払う「概算金」も上がっている傾向のため、新米の価格も上がるのではないかとみられています。

専門家に試算を出してもらいました。


【9月以降の新米(5キロ)の価格どうなる?】専門家らの試算

▼農業法人「トゥリーアンドノーフ」 徳本修一氏
→4000円~5000円台前半
・需要と供給のバランスが崩れている
・高温障害があればさらに上がる

▼小池精米店 小池理雄氏
→3800円~6000円
・暑さから収穫量減
・さらに収穫しても60キロのうち2割はできが悪く廃棄に

▼スーパーマルサン 八木栄樹店長
→4000円~4500円
・円安や人件費・燃料費の上昇を考えると正当なお値段

▼元農水官僚 東京大学 鈴木宣弘教授
→4000円超え
・不足感から集荷競争が激化しているため、生産者設定の価格が高騰

▼経済評論家 加谷珪一氏
→3000円台後半
・増産の可能性が高いため価格は下がるはずだが、猛暑で生育が読みにくい


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
生産地の反応を聞くと、ガソリン代や輸送費がすごく高くなっているため、この値段で一息ついたという感じです。

もう(コメの価格は)下げられないので、国は低所得の人に対する給付金や減税をやらなくてはいけません。

しかし、残念ながら国会はずっと夏休みが続いていて、このままだと9月中も休みなのではないかとみられています。その辺の動きが鈍いのは気になります。


井上貴博キャスター:
専門家によって3000円〜6000円まで(試算価格の)幅があります。

これからコメの増産に向かうのはいいと思いますが、落ち着くまでは毎年、不安定なのでしょうか。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
需要と供給がアンバランスで、買いだめなどもあるでしょうから、恐らくこうした流れに翻弄されるでしょう。


続くコメ価格の不安定 「再生二期作」にAIやドローン活用も

出水キャスター:
そうした中、生産者の皆さんも様々な取り組みをしていて、二期作やAIが利用され始めています。農家に話を聞きました。


ーー今までやっていなかった手法で、農家がこれから取り得る方法は何かありますか?


柏染谷農場 染谷茂 社長
「再生二期作っていう、ちょっと今まで取り組んでいなかったんですけども、やってみようかなってことで始めました」


再生二期作とは1回目の収穫をした後、同じ株から再び穂を実らせて、2回目の収穫をするというものです。


ーー収穫の時期は、いつといつくらいに?


柏染谷農場 染谷茂 社長
「今回(1回目)は先週だったんですけども、2回目は11月ですね。(2回目の収穫に向けて)水の管理もする、肥料も与える。そういうことで、できるだけ大きな実にして食用になるか」


同じ穂から2度収穫することで生産量もアップするということです。

他にも様々な取り組みが行われています。


【コメ作り 様々な取り組み】農業法人「トゥリーアンドノーフ」

▼田んぼの集約
・分散している田んぼを集約
・大型機械で生産性アップ

▼乾田直播
・日本で数十年前からあった技術
・乾いた田んぼに直接田植え

▼衛星画像+AIを活用
・衛星画像から葉色を解析、ドローンから必要な量だけ散布
・肥料代10%節約


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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年


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