最新のコメの販売価格が15週連続で値上がりとなりました。牛丼チェーン「松屋」でも牛丼が値上げに。政府が放出した1回目の備蓄米は、先月末の時点で9割以上が流通しておらず、価格高騰の要因となっています。
【写真でみる】「9割以上」が落札した集荷業者にすら渡っていない状況に江藤農水大臣は…
「備蓄米はどこ」戸惑う消費者
21日に発表された、スーパーで販売される最新のコメの平均価格。5キロあたり4217円と前の週より3円高く、値上がりは“15週連続”となりました。
牛丼の価格も上がっていて、松屋フーズは22日から、「牛めし」の並盛を30円高い460円にするなど商品を値上げします。
コメの価格が高騰する中、都内のスーパーの売り場ではある商品を探す男性客の姿が…
買い物客
「出てないもんね?政府米の…備蓄米。十何万トン出てると言うが、全然出てない、こういうスーパーには。だからどこ行ってんのか」
専門店で割安なコメを購入しているという女性は…
買い物客
「もう高くてスーパーでは買えない。(備蓄米が)市場に出回っていないというので、(スーパーでの購入は)ちょっと無理かなとしばらく」
コメの価格を抑えるため、政府は備蓄米を、これまで2回にわたり合わせて21万トン放出しています。
しかし大手を除き、スーパーなどで備蓄米を見かけることはほとんどありません。
ベニースーパー本部 秋津友弥本部長
「備蓄米に関しましてはノーチャンス、売ることはできないというような状況。お付き合いのある問屋さんは一切持っていない。私たちからすると、並べることができない」
スーパーなどに備蓄米0.3%
備蓄米はどこにあるのか…
農水省の調査によりますと、1回目の放出分およそ14万トンのうち、先月30日までにJAなど大手集荷業者が引き取った備蓄米はわずか3%の4071トン。
そこから卸売業者に渡ったのが2761トンで、スーパーなどの小売店や飲食店に流通したのは461トン、全体の0.3%程度にとどまりました。
9割以上の備蓄米が落札した集荷業者にすら渡っていない状況に、江藤農水大臣は…
江藤拓 農水大臣
「備蓄米倉庫も東北に多く存在しているということも事情としてあり、3月4月は特に、人事異動の時期であったりですね、トラックの手配が難しかったりする部分もあったんだろうと思います」
輸送するトラック不足などを、流通が遅れている原因としました。
これに対し専門家は、備蓄米の入札の参加資格がJAなど大手の業者に限られている点を問題視します。
流通経済研究所 折笠俊輔 主席研究員
「大手の集荷業者と取引がないところに行き渡らないというのは一つの課題。例えば3割は必ず小規模の小売店に出すようにとか、そこに販売する卸に販売するように、というような、ある程度、枠をつくる方が現実的」
消費者が待ち望む割安な備蓄米。政府は23日に3回目の入札を行います。
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