
「令和のコメ騒動」といわれたコメの高騰を受けて、小泉前農水大臣のときに放出された備蓄米。これをまた政府が買い戻すこととなりました。コメの価格が下がりつつある中、どんな狙いがあるのでしょうか。
【写真を見る】古米より新米が安い“逆転現象” 今後のコメ価格は…
コメ価格に“異変”で「損切り」も…なぜ古米より新米が安い?
新米が並び始めたスーパーでは、今、異例の事態が起きています。
記者
「古米は3000円台なのに対し、新米は2500円台と、新米の方が安くなっています」
古い米よりも新しい米の方が安い“逆転現象”。
セルシオジャパン 久保田浩二さん
「古米が本当に早く売れてもらいたい部分と、新米も早く並べたいという部分で困っている」
在庫を抱える卸業者は、より深刻です。
ちから米穀 山下力 社長
「だいたいこの辺に見えるのはまだほとんど7年産(2025年産)ですね」
山積みになっているのは2025年、高値で仕入れたコメです。
ちから米穀 山下力 社長
「新米より安く提示しなければ消費者は納得してもらえないので、もうここは“損切り”のひとつ。新米より下げて販売せざるをえない」
赤字覚悟で値段を下げる苦渋の決断。なぜこんな事態になっているのか。
「じゃぶじゃぶ」政策から一転…放出した備蓄米を「買い戻しへ」
ことの発端は2年前、全国的なコメ不足から価格が高騰した「令和のコメ騒動」です。
5キロ2000円ほどで推移してきたコメ価格が一気に4000円台まで跳ね上がりました。
対応を迫られた、当時の小泉農水大臣は...
小泉進次郎 農水大臣(2025年6月)
「(コメ市場を)じゃぶじゃぶにしないといけない、それじゃなかったら価格は下がらない」
市場に出回るコメの量を増やして価格を下げようと政府の「備蓄米」を放出。
さらに...
石破茂 総理(2025年8月)
「(コメの)増産に取り組める支援に転換します」
備蓄米放出に加え「増産」方針も示されるなか、コメ価格は徐々に下がってきたのです。
客
「麻痺してしまってすごく安いと感じるが、昔と比べると少し高い」
消費者にとっては朗報だったコメの値下がり。その矢先、政府が打ち出したのが…
鈴木憲和 農水大臣(9月1日)
「政府備蓄米の買い戻し手続きを開始いたします」
2025年放出した備蓄米の買い戻し。価格への影響をめぐっては…
鈴木憲和 農水大臣(9月1日)
「マーケット全体に与える影響がないように、よく考えながら適切に進めさせていただきたい」
備蓄米買戻しの背景にあるとみられるのは、価格が下がりすぎることへの懸念。
鈴木大臣は就任早々に、石破政権の「増産」方針から「需要に応じた生産」への転換も打ち出していました。
二転三転するコメ農政に、消費者の懸念は…
客
「このお店で言うと新米が2250円ですが、その位の価格を維持していただきたい。農家さんがあまり困らない程度に安くしてもらえば」
「農家さんが安く(なりすぎると)やめちゃう人が多いと聞くから気の毒」
「備蓄米」の買い戻しでコメ価格は?コメ農政に“翻弄”される現場
高すぎると売れず、安すぎても商売にならない、そんなコメ作りの現場では…
東京ドーム10個分に相当する田んぼでコメを作る大谷寿男さん。
“令和のコメ騒動”を受けた備蓄米の「放出」と「買い戻し」や、“増産の是非”などをめぐって政府の方針が定まらないようにも見える状況については…
おおや農園 大谷寿男さん
「もっと生産者側のことも考えていただきたい。価格は一番大事な部分なので、急上昇‧急降下があると経営にも響くし、今後の経営に対しても少し不安なことが多くなる」
コメ作りで生き残るために取り組んでいるのは、生産コストの削減。そのために必須なのが大規模化です。
おおや農園 大谷寿男さん
「機械の威力を最大限発揮するには、まとまった農地や区画の大きな農地が必要」
コメ作りをやめた高齢者の田んぼなどを引き受け、耕作地を拡大してきましたが、点在する農地を集約するのが大変だといいます。
Q.持続可能な農業のために国にはどういうことをして欲しい?
おおや農園 大谷寿男さん
「今の小さな区画を整理するには水路の問題、道路の問題があるので、その辺は県や国に支援してもらわないと難しい」
小手先の需給調整ではなく、中長期を見据えた農政が求められています。
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