
2月に行われた衆議院選挙から約4か月。立憲民主党の代表代行まで務めた吉田晴美・前衆議院議員が、中道改革連合からの離党を表明した。
【写真を見る】中道離党で“波紋”――吉田晴美氏が語る“決断のワケ” 背景に党内での「ズレ」や比例の扱い?新たな政治団体の結成も視野 なぜ今「無所属」を選ぶのか…語った本音【edge23】
「衝撃的」「考えられない事態」党内でも波紋を呼んだ吉田氏の離党劇――。
決断の背景に、何があったのか。落選後4か月間の苦悩、比例の扱いをめぐる不透明な状況、そして野党が「大きなかたまり」を作れないもどかしさを、率直な言葉で語った。
“衝撃”の離党表明 階幹事長「非常に遺憾」
中道改革連合の階猛幹事長は吉田氏の離党表明について、「非常に遺憾というか、ちょっと我々としては考えられない事態ではあった」と批判した。
これに対し「幹事長も今、党の運営の中で非常にご苦労されているところだと思うので、1つ1つ言葉を選びながらおっしゃったんだなと思う」と冷静に受け止めた吉田氏。
離党表明について直接の連絡はできていなかったというが、幹事長への相談自体は以前から行っており、4月ごろに一度「無所属も視野に入れなければいけないのか」「党がこの先どうなっていくのか」などの悩みを打ち明けていたという。
「まっさらな気持ちで」決意の裏に党内での"ズレ"
吉田氏は離党の理由について一言でこう表現した。
「まっさらな気持ちで」
その背景の一つとして挙げたのは、自身の政策発信と党の方向性との“ズレ”だ。
「直近では安定的皇位継承など、積極的に発信しているが、やはり党の中にいながら党と違う発信をしていくことに対して“申し訳ない”という気持ちもあった」と明かした
先行きが見えない不安も…
さらに吉田氏の“悩みのタネ”だったのが、「比例の扱い」だ。先の衆院選をめぐっては、公明党出身の候補者が中道の比例名簿で上位に優遇されたことへの不満の声も出ていた。
いつ解散があるか分からない中で、浪人期間を費やして活動を続ける落選者にとって、次の衆院選での比例の処遇は「人生をかけてやっていく上で非常に重要」だと吉田氏は話す。しかし、その答えは「まだ決まっていない」状態だったと、先行きの不透明感にも懸念を示した。
自身が落選者向けの支援金を辞退したことについては「お金の面で党に負担をかける、かつ自分自身の思いにまだ決着ができないことで申し訳ないという思いもあった」と語り、「今決断してまっさらな気持ちになってやるしかない」と離党の理由を改めて強調した。
離党をめぐる永田町での受け止めについて、TBS政治部・堀宏太朗記者は「意外と理解を示す声が多かった」と話す。ただ、立憲時代に代表選に出馬し、代表代行も務められた人物だけに、「これまでの離党者とはわけが違う」「辞める理屈がよく分からない」という批判的な声もあった。
「現職議員への“遠慮”あった」4か月間の苦悩
吉田氏は3月、TBSの番組に出演し、衆院選“大敗”の理由として「中道という党が何をする党なのか分かりにくかった」と述べ、「党としてやるべきことを精査し、しっかり話し合うことが大事だ」と語っていた。
それから約4か月、その「分かりにくさ」を変えようとどんな働きかけをしたのか――
吉田氏は、会派が一致していないことや3党合流への今後の道筋について、「(党の地域ごとの)ブロック会議などでも申し上げてきた」と話した一方、「私たち落選者は現職の方々がすごくお忙しいのを分かっている。委員会や質問でお忙しい中に、ちょっと躊躇するというか遠慮するところは正直あったかもしれない」と振り返った。
中道で続く「離党ドミノ」 不透明な3党合流
中道、立憲、公明の間で続く合流協議の行方も、不透明感に拍車をかけている。
堀記者によると公明党が合流に前のめりな一方、立憲民主党は慎重な姿勢を崩しておらず、中道は焦りを感じているという構図がある。立憲が合流を判断するにあたっては、地方議員や地方組織の扱いも含めた調整が必要で、時間を要するとみられている。
中道では離党者が相次いでおり、「ドミノはさらに続くかもしれない」という悲観的な見方も議員の中から聞こえてくるという。
政治団体結成も視野 “無所属”から描く「大きなかたまり」
当面は無所属で活動するという吉田氏。
「穏健なリベラルの方々が“今投票する先がない”など、渇望する声が大きい。自分の中でもそれが抑えきれない思いになった」と述べつつ、「自民党に対抗できる勢力、“大きなかたまり”が必要」と力を込めた。
“大きなかたまり”――それが新しい党なのか、複数の党が選挙協力をする形なのかについては「正直分からない」としながらも、「同じ志のある方とはまたかたまりになっていかなければいけない」と話す。
さらに吉田氏は「(そのかたまりを)主導していきたい」と明言。“吉田新党”の可能性については、「政党要件があるので、現職の方がいらっしゃらないとできないが、やはり日本新時代を作っていきたいという思いは非常に強い」として、新たな政治団体の結成を示唆した。
野党同士の関係については「協力していくことは必要」と述べ、協力や候補者の一本化の形が重要だとしながらも、先の衆院選での中道改革連合の結成に関しては「なぜそれが協力ではなくて、なぜいきなり党だったのか」という有権者の疑問を代弁した。
立憲へ「復党ない」 “無所属”への苦悩とけじめ
立憲民主党への復党の可能性について、「今はない」と吉田氏は明確に否定した。「ある意味何者にもとらわれない形で行動ができ、発言ができ、という立場になりたい」と述べた。
離党することへの批判や、「逃げた」という声もあることについては、「私にとっては無所属になることのほうが苦しかった。地元の有権者から聞いた声や、自分自身の発信したことに対するけじめはつけなきゃいけないという思いはあった」と語った。
「転んでも転んでも立ち上がらなければいけない。でも今やっぱり行動で示していくのが大事。だからこそこれからの行動が問われている」――吉田氏はそう言って、無所属という新たなスタートを宣言した。
落選から4か月での離党決断が何をもたらすのか。その答えは、吉田氏の「行動」が示していくことになる。
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