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高市内閣始動で注目される「チーム高市」の布陣と政策の行方 閣僚人事から見える新政権の戦略と課題【edge23】

国内
2025-10-25 08:00

日本初の女性総理が誕生し、高市早苗総理を中心とする新内閣がついに動き出した。自民党と日本維新の会による連立政権は、多くの注目政策を掲げているが、それらがどの程度のスピード感で実行されるのか、国民の関心は高まっている。


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TBS政治部で高市氏の取材を担当する大室裕哉記者、そして今回与党に加わった「日本維新の会」を取材する青木孝仁記者とともに、高市内閣の閣僚人事の裏側と政策の行方について解説する。特に高市内閣における人事の狙いや、物価高対策などの優先課題に焦点を当てながら、新政権の真の姿に迫る。


「チーム高市」が勢揃い 閣僚人事が示す高市政権の基盤

高市内閣の顔ぶれを見ると、高市総理が信頼を置く議員らが重要ポストに配置されている。特に木原稔官房長官の起用は象徴的だ。高市総理は以前から「官房長官だけは自分で決めたい」と周囲に語っており、木原氏を信頼していることがうかがえる。


高市氏が政調会長だった頃、木原氏が事務局長として支えていた過去もあり、2024年12月の岸田元総理との食事会に木原氏を同席させたことからも、木原氏への信頼が見て取れる。


財務大臣に就任した片山さつき氏も、高市氏との関係が深い人物だ。片山氏は今回の財務大臣就任後の取材で「2021年に高市さんの推薦人をやってからずっと協力関係で、高市さんは『高市内閣になったら財務大臣は片山さつきです』って4回ぐらい言ってるんですよ。だから私はむしろならなかったらどうしようと思っていて」と語っており、高市氏との強い結びつきを示している。


また、小野田紀美経済安全保障担当大臣は、総裁選で高市陣営の「キャプテン」を務め、「高市さんのファンだ」と周囲に話すほどの高市支持者だ。高市総理が重視する「外国人政策」も、小野田氏はこれまで取り組んできたことであり、その担当を任されていることから、期待の大きさが伺える。Xのフォロワー数が70万人を超えるなど、ネットでの影響力も大きい。


注目なのが、新たに総理補佐官に就任した維新の遠藤敬氏だ。「連立合意政策推進担当」として両党の調整役を担うことになる。衆参両院で少数与党のため、国会運営や政策を実現するうえで野党の協力が欠かせない現状で、与野党に太いパイプを持つ遠藤氏の存在は、今後の政権運営でも重要な役割を果たすことになると思われる。


注目政策はどこまで実現するか? 議員定数の削減・物価高対策の行方

新政権が発足し、高市総理の下で訴えている政策が実現するかどうかが焦点となっている。今国会あるいは次の通常国会中にスピード感をもって実現できそうなのか。自民・維新の連立合意文書や取材をもとに「〇・△・✕」で分析した。


■議員定数削減 △

維新が連立政権に参加する上で最も重視したのは「議員定数の削減」。吉村代表は「1割を目標に削減する」と主張し、自民・維新の合意文書では「令和7年臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指す」と明記した。一方で野党側は「2党だけで決めて良い話ではない」などとして「丁寧な議論をすべき」と慎重な姿勢を示しているほか、自民党で選挙制度調査会の会長を務める逢沢会長もX(旧Twitter)で「いきなり議員定数削減は論外」と反発を示すなど、与党内でも一枚岩になっていない状況に「成立するかは不透明」との声も上がっている。


■企業・団体献金 ×

維新は「全面禁止」を主張してきた一方で、自民党は「透明化」を主張していて、双方の立場には隔たりがある。合意文書では「高市総裁の任期中に結論を得る」という表現にとどまっていて議論は継続される形となった。取材でも自民党議員からは「企業・団体献金は譲れない」という声が多く上がっていて、厳しい規制強化を実現することは容易ではない。維新担当の記者も「維新はこれまで金に左右されない“しがらみのない政治”を訴えてきただけに(合意文書の書きぶりは)少し折れたという印象がある」と指摘し、ただちに結論を得るのは難しいと分析した。


■減税 △

ガソリン税の暫定税率廃止については、合意文書で「臨時国会中に成立させる」と明記された。ただ、財源問題などで国会では与野党協議が続いていて、与党側は補助金の活用によって実質的に廃止する方向で調整している。

一方、参院選で野党が掲げ注目された政策「飲食料品の消費税ゼロ」については、合意文書では「2年間に限り消費税の対象としないことも視野に検討」という表現にとどまっている。自民党の麻生副総裁などは、消費税の減税に慎重な姿勢をみせていて、実現は一筋縄ではいかないものとみられている。


■2万円給付 ×

合意文書で、行わない旨が明記されている。先の参院選で自民党が「2万円給付」を掲げて戦い大敗に終わるなど、党内からも「評判は芳しくない」という声が聞こえていることから、方針転換となった。


内閣支持率は好調 さっそくの解散はある?

発足直後の高市内閣の支持率は、複数の調査で6割〜7割と高い水準を示している。大室記者は「今すぐの解散はない」としたうえで、「高市氏のやりたい政策は時間がかかるものが多い。今は過半数に達していないので、安定政権を作るためにも解散をして、与党で過半数を回復したい考えはあるのではないか」と分析した。


いよいよ走り出した高市内閣。政策実現に向けては、自民党内の調整や少数与党としての国会運営など、多くのハードルが待ち受けていて、今後の動きが注目される。


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