フジテレビをめぐる一連の問題で、フジテレビの元幹部が主催し、後に第三者委員会が「不適切」と指摘した懇親会に、歌手で俳優の福山雅治さんが出席していたことが明らかになりました。
【写真で見る】調査報告書「いわゆる下ネタ的な性的内容を含んだものであった旨…」
「深く反省しております」フジ幹部懇親会に福山雅治さん
福山雅治さん
「深く反省しております」
19日に発売された週刊誌「女性セブン」の記事の中で、こうお詫びの言葉を口にした福山雅治さん。
きっかけは、2025年3月に公表された、フジテレビの第三者委員会による報告書でした。
中居正広氏と元女性アナウンサーのトラブルを受け、フジテレビと親会社は2025年1月に第三者委員会を設置。社内外の関係者約200人へのヒアリングや、1000人以上の社員にアンケートを行いました。
その中で「類似事案」として問題視されたのが、フジテレビの大多亮元専務による懇親会。
懇意にしていた、ある男性“有力出演者”との会合に、たびたび女性アナウンサーや女性社員を同席させていたとされています。
調査報告書
「会合における大多氏や番組出演者の会話が、いわゆる下ネタ的な性的内容を含んだものであった旨述べる者も多数おり、不快であった旨述べるものもいた」
この有力出演者が福山さんであることが女性セブンの記事で判明。太田氏は過去に「ひとつ屋根の下」や「ガリレオ」などに関わり、福山さんとは旧知の仲でした。
こうした懇親会について、2025年4月、大多氏は…
フジテレビ 大多亮元専務(2025年4月)
「私は食事会、懇親会という意識でありましたから、報告書の中で不快な思いをしたと書いてありましたが、そうだとすれば、私の認識が甘かった。時代からずれていた」
報告書によると、こうした懇親会は2005年前ごろから年に1~2回ほど開かれ、少なくとも19人の女性アナウンサーが参加。
福山さんの愛称から、“マシャ会”とも呼ばれていたといいます。
実際に、一連の報告書を読んだという福山さんは…
福山さん(女性セブン 2025年9月4日特大号)
「場を盛り上げたいという思いでした。ただ、その中で求められていない話題を出してしまったということと、盛り上げ方が間違っていました」
街の人からは…
40代男性
「結構オールナイトニッポン(ラジオ)とかで下ネタをガンガン言ってるんで、硬派かと思いきや、砕けたギャップもある」
福山氏と調査報告書の見解の食い違い 依頼はあった?
一方で、報告書の内容と福山さん側の見解には、食い違う部分もありました。懇親会が開かれることになった経緯について、報告書では…
第三者委員会の調査報告書より
「女性アナウンサーについては、当該番組出演者からLINEで『女子アナの皆様との会、よろしくお願いします!』『新人アナに会いたいですねぇ』等と依頼され、大多氏はこれに応じる形で女性アナウンサーとの会合をセッティング」
しかし、女性セブンのインタビューでこのことを問われた福山さんは。
福山さん(女性セブン 2025年9月4日特大号)
「この頃だったらスケジュールが取れますか?と大多さんから問い合わせがあり、アナウンサーのかたがたも来るという流れでしたので、『また皆さんとお会いしたいですね』と、返信していました。特段アナウンサーが参加する会が好きだということはありません」
また福山さんの所属事務所「アミューズ」は、JNNの取材に「あくまで大多氏からの声がけで開催されていた懇親会に出席した次第で、福山雅治本人からの発信で依頼した事実はない」と説明しています。
報告書の公表から約4か月が経って明らかになった、福山さんの懇親会への出席。その理由を福山さんはこう説明しています。
福山さんのXより
「第三者委員会の調査に対しては、『きちんと回答すべきである』という意向のもと協力いたしましたが、関係者に対しての詮索、特定、誹謗中傷が発生する可能性を鑑み、自ら名乗り出るべきではないと考え、こちらからの発信は控えておりました」
フジテレビは指摘された会合で、「福山氏によるハラスメント行為があったという
申告は確認されておりません」とコメントしています。
「メディア・エンタメ業界」の遅れ “種”に対しどう取り組んでいくか
メディア・エンタメ業界の問題意識について専門家は次のように指摘します。
オウルズコンサルティンググループ 矢守亜夕美執行役員(ビジネスと人権の問題に詳しい)
「女性軽視的な文化がなかなか無くならないことも、業界の中の方からも非常によく伺うところ。メディア・エンタメ業界として、言ってしまえば大きくずれている、遅れをとっているところを、いかに変えていけるのか、追いついていけるのか、非常に今問われていると思います」
また、事案が深刻化する前の“種”は、どの組織にも共通して見られるともいいます。
オウルズコンサルティンググループ 矢守執行役員
「現場では、小さい出来事であれば日々起こっている。“種”が無数にあるのが、日本社会の課題だと思っています。これをいかに早い段階で対応していけるか、防ぐために取り組んでいけるかが、人権の世界の中で非常に大事になってきます」
小川彩佳キャスター:
福山さん側と第三者委員会の見解では、食い違う部分があります。
いずれにしても、接待要員のような形で社員を会合に参加させる、テレビ・エンタメ業界の体質や、根底にあるコンプライアンス意識の欠如といった問題が、改めて浮き彫りになったということだと思います。変わらなければなりません。
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