お盆休みの前半、各地で大雨が降り続きましたが、今後は“猛暑”が戻ってきます。熱中症対策が必要となりますが、危険な暑さを避けようと、日中のみ営業していた遊園地では夜間営業を始めたり、夜の墓参りを勧める霊園が現れたりと“夜型”へと変わり始める場所も出てきています。
猛暑復活 遊園地やゴルフ“夜型”に
午後8時をすぎた東京・台東区にある日本最古の遊園地「浅草花やしき」。日中は暑くて外で遊べない人にも遊園地を楽しんでもらおうと、営業時間を3時間延長しています。
客
「日中は暑いので、日が陰ってきてからのほうが遊びやすい」
花やしき広報 高橋ことのさん
「家族のお客様が非常に多いです。涼しいので、安心して走りながら園内を楽しめると思います」
お化け屋敷に入ったお客さんには、“お清めの塩飴”をプレゼントし、熱中症対策もばっちりです。
灼熱の昼を避けた”夜型シフト”はこんなところにも。
千葉・木更津市の「アクアライン ゴルフクラブ」では、ナイター照明を約100台設置。「ナイトゴルフ」と題し、今年から夜間営業を始めました。
ーー夜のゴルフは昼と比べてどうですか?
女の子
「涼しくていいと思う」
男性
「体力的にもすごく楽だし、やっぱり夜っていうのですごく幻想的な雰囲気もあるし、楽しいと思います」
最終スタートは午後6時台。18ホールを回り終えるのは夜11時すぎになります。東京から来た女性は「帰りの交通渋滞を避けられるのがありがたい」と話します。
女性
「混み具合が全然違う。アクアラインは特に混むかなと、お盆休みもあるし。混まないで帰れるのはすごくいいかなと思います」
アソビュー!の調査では、「猛暑を避けるため、出かける時間帯をずらしたことがある」と答えた人が7割以上に上りました。
アコーディア・ゴルフ 飯塚紳さん
「これだけ暑くなると、ゴルフを敬遠されるお客様が多数いる中で、夜でも涼しい環境でゴルフがしたいと、できるというところでお客様のニーズに応えている形になる」
「夜は涼しい、お墓は特に」夜間の墓参り呼びかけも
8月13日は“盆の入り”。先祖に手を合わせる人の姿が多くみられました。ただ、墓参りとしては珍しい夜の時間帯です。
夜間の墓参りをする人
「明日の朝早く来ようかなと思っていたが、夜もお参りが出来るというのを聞いて、家族もそろっていたので、きょう来ることにしました」
證大寺の霊園では「夜間の墓参り」を呼びかけています。
というのも、墓地は日差しを遮るものが少なく、真夏の墓参りは熱中症のリスクが高まるため。
證大寺 井上城治住職
「3年くらい前から毎年救急車を呼ぶような状態なんです。それも、たまたま回っているので気づいてよかったが、倒れている人もいました」
墓地には日没に自動で点灯するランタンを設置。足元を照らします。こうした夜間の墓参りは全国的にも珍しい取り組みだそうです。
夜間の墓参りをする人
「やっぱり夜は涼しいですよね。お墓は特にね」
「夜でよかったよね」
墓参りの代行に注目 「代行さんは神様」歩くのが不自由な依頼者
また、注目されているのが墓参りを代行するサービスです。
八王子交通事業 宗像晴美 部長
「こちらのお客様だけで年間4~5回はオーダーをいただいています」
東京・八王子を拠点にするタクシー会社。コロナ禍でタクシーの利用が減ったことを受け、新たな事業として墓参り代行に乗り出しました。
料金は線香やお供え物の花などの費用を含めて、1時間1万1660円です。
八王子交通事業 宗像晴美 部長
「現場にお見えになれないお客様、高齢であったり暑かったり、季節柄中々来られない方がほとんど」
炎天下での墓掃除。当然、代行するのも大変です。
ーーどこの作業が一番体にくる?
八王子交通事業 宗像晴美 部長
「動き始めると全部です。日差しが一番堪えますね、表の作業なので」
1時間ほどで作業を終えると、依頼者に終了報告を行います。依頼者は脳梗塞を患い、歩くのが不自由な87歳の女性でした。
八王子交通事業 宗像晴美 部長
「きょうは無事しっかり対応しましたので、ご安心ください」
墓参り代行の依頼者(87)
「よくやってくださいまして、暑いのに。先祖のお墓ですし主人も入ってますし、子どももいますから。できる限りは本当にお墓だけは守りたいと思っている。代行さん神様ですよ。行かなかったら一年中気にしてます」
一方、西日本を中心に猛暑が戻ってきた日本列島。12日、猛暑日(35℃以上)を観測したのは全国7地点でしたが、13日は24地点と3倍以上になりました。
大雨被害”九州でも厳しい暑さ 行方不明者の捜索続く
大雨被害に見舞われた九州でも。
13日は各地で晴れとなり、宮崎県をのぞき「熱中症警戒アラート」が発表。熊本県は、全ての観測地点で30℃を超えました。
住民
「暑い!暑いですね!きのうよりさらに暑くて」
住民が汗だくになりながら、片付けに追われていました。
さらにこの暑さの中、大雨による断水がいまだに続いているのです。
12日から設置されている町内4か所の給水所には、多くの人が詰めかけていました。
大きな被害をもたらした今回の大雨。熊本市では、13日午前10時20分ごろ、浜戸川で高齢男性とみられる遺体が発見され、11日から安否がわからなくなっていた、近くに住む長田修さん(74)であることが確認されました。
また、市内に住む森下尚治さんの安否も分からなくなっていて、13日、井芹川では、森下さんの車が川から引き上げられました。
しかし、車内に森下さんの姿はなく、14日も警察や消防では捜索を続けるとしています。
森下さんの長女
「どんな形でも良いので早く戻ってきてくれたらなって」
熊本県では、これまでに3人が死亡、2人が安否不明となっています。
大雨の爪痕が色濃く残る中、西日本を中心に九州でも、14日はさらに暑くなりそうです。名古屋や大阪、福岡などでは35℃以上の猛暑日の予想となっていて、熱中症への警戒が必要です。
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