7月の日本の平均気温が、統計開始以来、最も高くなったことがわかりました。一方、降水量は東北地方の日本海側と北陸地方で過去最少を記録。この暑さと、水不足でコメ作りの現場などでは深刻な影響が広がっています。(8月1日午後5時20分頃放送)
【写真で見る】全国の雨予想シミュレーションと最高気温予想 あなたの地域は?
深刻な水不足で「雨乞いの神事」も…恵みの雨はいつ?
日比麻音子キャスター:
栃木県のコメ農家、岡田農園の岡田伸幸さんは「2023年も水不足で困ったが、2025年はそれ以上に水がない」と話していました。なかなかコメの粒が膨らまない状況のようです。
また、2023年は記録的な暑さで「白未熟粒」が発生しました。粒がそれぞれ白くなり、精米のときなどに割れやすくなってしまい、なかなか流通もさせられなかったといいます。こういった暑さの影響が、今も続くコメ不足の一つの原因にもなっていたということです。
水不足は各地で起こっており、宮城の「鳴子ダム」では7月29日に貯水率が0%になりました。東北地方整備局鳴子ダム管理所の小嶋光博所長は「このまま雨が降らなければ2週間強で水が尽きてしまう」と話しています。
さらに鳥取県倉吉市では降水量が平年の1割で、JA鳥取中央が初めての「雨乞いの神事」まで行ったということです。本当に各地で深刻な状況が続いています。
森田正光 気象予報士:
梅雨時ですが、東京でも平年の半分ぐらいしか降っていません。
今後の雨の予想をみると、4日(月)からは前線上の雨雲ができますが、いったん消えて、また7日(木)になると伸びてきます。予想ではありますが、やっと雨雲が見られるようになったと言っていいでしょうか。
そのあとは、また晴れの区域に入りますが、10日(日)、11日(月)ぐらいに線状の雨雲が広がってきます。これまでのように暑さばかりではなく、時折雨がやってくる感じになりそうです。
日比キャスター:
恵みの雨になるといいですよね。
森田 気象予報士:
降り方が強くなっても恵みの雨のほうがいいかという感じがしないでもないので、難しいところです。
台風9号通過後また猛暑に…最高気温40度超えの予想も
日比キャスター:
続いて予想最高気温をみると、やはり8月、本気を出してきました。
森田 気象予報士:
実は、30年に1回の出来事を「異常気象」というのですが、2024年も2023年も30年に1回の暑さで、2025年もそうでした。
このような異常が続くことを「気候変動」というので、我々は今、異常気象から気候変動の時代に入ってきたと認識するのがいいと思います。
実際、東京の予想最高気温は2日(土)から6日(水)まで35度以上が続き、群馬の舘林では5日(火)に41度の予想が出ています。関東でもいよいよ40度以上の予想がみられるようになりました。
東京のこの先16日間の予想では、お盆のころは少なくとも晴天で、最高気温33~34度ぐらいの日が続きそうです。多少雨が降っても、まだまだこの暑さは収まらないと思います。
日比キャスター:
「気候変動」という言葉がありましたが、この暑さは地球の悲鳴のようにも感じます。
森田 気象予報士:
来年も再来年もこれが続くと、大変なことになりますよね。
日比キャスター:
私たち自身の体調管理を気をつけながらも、地球のためにできることを始めていきたいと切に思います。
==========
<プロフィール>
気象予報士 森田正光さん
1950年名古屋市生まれ
1969年に(財)日本気象協会に入り、1978年ごろからテレビで天気解説
趣味は将棋、散歩、島バナナ研究
・エアコン「1℃下げる」OR「風量を強にする」どっちが節電?「除湿」はいつ使う?賢いエアコンの使い方【ひるおび】
・スマホのバッテリーを長持ちさせるコツは?意外と知らない“スマホ充電の落とし穴”を専門家が解説【ひるおび】
・「パクされて自撮りを…」少年が初めて明かした「子どもキャンプの性被害」 審議進む日本版DBS “性暴力は許さない”姿勢や対策“見える化”し共有を【news23】