企業のハラスメントへの対策が進む一方で、立場や仕組みから声をあげられない人もいます。ある女性起業家は、自らの受けたセクハラ被害について「耐えるしかなかった」と苦しい思いを語りました。
セクハラを受けた起業家の女性
「逃げられないからというか、力関係があると思ったのかわからないですけど…」
2年前、AIを活用したサービスを提供する会社を立ち上げた20代の起業家の女性。出資が決まった矢先、相談相手でもあった投資会社の担当者の言葉に耳を疑ったといいます。
セクハラを受けた起業家の女性
「『俺は女の人生を狂わせたい』『ホストみたいな感じで、女性から金とかを巻き上げられる存在になりたいんだよね』とシラフの状態で言われて」
「起業のお祝い」とする食事の場。この日を境に不快な言葉に悩まされるようになります。会議でも…
セクハラを受けた起業家の女性
「今までは全然そんなことなかったんですけど、顔の話から始まって『容姿を磨け』って」
さらに、何より女性を追い詰めたのは周囲の受け止め方でした。
セクハラを受けた起業家の女性
「セクハラをセクハラだと思ってくれない人が本当に多くて。『出資してもらったのにそんなこと言うなんて』って、同じ起業家から非難されたこともあるし、そういうのを耐えてこそ経営者じゃない?女として気に入られたならよかったんじゃないみたいな」
女性はその後、適応障害を発症。会社を成功させるため、一緒に働く従業員のために「耐えるしかなかった」と話します。
女性起業家のセクハラ被害。当事者団体によると、「女性起業家の半数以上がセクハラを受けたことがある」とする調査結果もあるといいます。
スタートアップユニオン 松阪美穂 代表
「無理やりキスをされてしまったり、『性的な関係を持ったら投資するよ』と言われたりとか、そういったことがありました」
これらの背景について専門家は…
労働問題に詳しい 大竹寿幸 弁護士
「投資を受けられなければ、自分のやりたい事業もできないっていう意味では、投資家と起業家の立場が非常に強弱がはっきりしている」
現在、企業にはハラスメント対策が義務付けられていますが、起業家については企業の労働者ではないため、対象ではありません。女性は“起業家も守られる仕組みを整備してほしい”と訴えます。
セクハラを受けた起業家の女性
「経営者や起業家も1人の人間ですし、ハラスメントや人権侵害に耐えるべきという風潮はもうやめてほしい」
挑戦する人を支える仕組みが求められています。
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