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“忙しいアピール”が裏目に?支持率下落の高市総理 問われる指導力と消費減税の行方【Nスタ解説】

国内
2026-07-23 22:21

2月の衆院選で大勝を収めた高市政権。高水準を維持してきた内閣支持率がここにきて下落しはじめ、政府与党にも焦りが見えてきました。


【写真で見る】参議院で少数与党 「副首都法案」めぐる攻防


3連休最終日「久々に5時間も睡眠を取れた」に賛否

高柳光希キャスター:
異例続きの今の国会ですが、総理のSNSでの発言が波紋を呼んでいます。


【高市総理のSNSの投稿 (一部抜粋)】
「今日のお休みは本当に有難く、久々に5時間も睡眠を取れた上(総理就任以来、0時間〜3時間睡眠が常態化)、昼からは、手付かずだった大量の洗濯後のハンカチやインナーのアイロンかけと、お裁縫(スカートの裾のほつれのまつり縫いやジャケットの緩んだボタンの補強)を一気に処理」


この投稿があったのは3連休最終日、7月20日の海の日です。


この投稿に対するネットの声は…
▼暮らしの一つ一つも手を抜かない姿に頭が下がります
▼家事はプロにまかせその分、睡眠をとったらいかがですか
▼総理に求められているのは「私は働いています」というアピールではなく成果です


肯定的な発言から厳しい意見まで、いろいろな反応があります。


政府・与党内ではどんな反応があったんでしょうか?


TBS報道局政治部 官邸キャップ 橋口由侍 記者:
この投稿に対し、政府・与党内でも波紋が広がっています。

ある自民党幹部からは、総理も頑張る主婦をアピールしたかったのだろうが、「国家のリーダーとしてはマイナス」といった厳しい意見が出ています。

また総理周辺からも、このような投稿は「周りがやめさせようと思っても、本人が考えて発信しているから、どうしようもない」という話が上がっています。


投稿の背景に“焦り”か 各国の外交官の間でも話題に

高柳キャスター:
延長した国会も会期末目前になっていますね。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
東京には、約5000人の各国の外交官がいて、その間でも話題になっています。

例えば、この投稿を、中国の習近平国家主席や北朝鮮の金正恩総書記が見た場合、どう思うだろうかと、驚いているんだと思います。

20日に投稿されたものですが、18日、19日に朝日新聞と毎日新聞の世論調査が実施され、20日朝に7~10ポイントほど下落しているということでした。

その後に、今回の投稿がされたので、やはり『これだけ一生懸命やっている私を批判しないでほしい』という狙いの投稿としか思えないです。


井上貴博キャスター:
今までSNSを使って、支持者へのアピールをして、頑張りを理解してもらおうということが上手く回っていた気がします。

しかし、ここに来て長時間労働が偉いという価値観に近いものを、国のリーダーが発信したということですね。

また、国家安全保障上、リーダーが“健康アピール”をする人はいても、“寝不足アピール”をすることによって、日本のリーダーは孤立無援で抱え込む人というイメージを他国に提示してしまうことにもなります。

これに関しては、高市総理の周りは何も指摘できないという状況なのですか?


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
今の政権では、外交的な配慮をした方がいいなどと、総理にアドバイスする人がいない現状です。非常に特異な政権だと思います。

高市総理も信用していないし、その周りの人もそういうコミュニケーションが上手くできていない状況です。


出水麻衣キャスター:
我々も一部だけを切り取ってしまっているというのはありますが、高市総理にその後の世論の動きみたいなものは届いているのでしょうか?


星浩さん:
むしろ“一生懸命やっているアピール”に精一杯で、それがどういう影響を及ぼすかにまで考えが及んでいないと思います。


高柳キャスター:
支持率の動きからなのか、政権内での高市総理のポジションからなのか、取材をしていてどんな声が聞かれていますか?


TBS報道局政治部 橋口記者:
総理がこういう投稿をした背景には、寝る間も惜しんで政権運営にあたっているにもかかわらず国民になぜ理解されていないのか、なぜ支持率が下がってしまうのか、という焦りがあると考えられます。


内閣支持率下落 鈴木幹事長が少し踏み込んだ発言

高柳キャスター:
そして、その反応は内閣支持率にも出ています。


TBS報道局政治部 橋口記者:
7月のJNN世論調査によると、支持は65.9%(-4.1)不支持は30.8%(+3.4)と、支持が依然としてかなり高い状況です。
※7月4日・5日/RDD方式 有効回答:1037人


それでも政権発足時の8か月前と比べると、支持は16ポイントほど下落しています。

政府・与党の幹部に記者が支持率下落について質問した場合、通常は「一喜一憂しません」といった常套句が返ってきます。

しかし、自民党の鈴木幹事長は21日、「どのような要因で支持率が下がったのか、党の広報本部を中心に分析している」と少し踏み込んだ発言をしました。

今回の支持率の下落には強い危機感を持っているということが分かると思います。


井上貴博キャスター:
その発言は珍しいですか?


TBS報道局政治部 橋口記者:
支持率の低さを指摘されたときに、通常は対応についてあまり明かしません。手の内はさらさないものなので、それを「分析している」と答えるのは珍しいです。


自民党議員「リーダーシップが見えなかった」 下落要因は“高市カラー・連立合意”の優先か

高柳キャスター:
幹部からも焦りが少し見えているという状況ですが、この下落の要因にはどのようなことが考えられますか?


TBS報道局政治部 橋口記者:
政府・与党内への取材によると、「国旗損壊罪」「副首都法案」「皇室典範」など、いわゆる高市カラーや日本維新の会との連立合意を優先したことが要因にあたると言われています。

その結果、物価高対策といった国民の懐に関する政策が後回しになっていると有権者が感じたからという見方が出ています。

ある自民党のベテラン議員は、「リーダーシップが見えなかった」と指摘しています。


これは会期延長の理由にもなった「副首都法案」ですが、維新肝いりの法案だったと言えます。維新はこういう政策を実現するために連立に入ったため、今の国会で成立させたいと主張するのは当たり前のことだと言えるかもしれません。

しかし、この法案をすぐに成立させないと国民生活に影響があるのかと言われれば、そうではないだろうと言われています。

そのため高市総理も維新を説得をして次の国会に回すことや、または自民党内を説得してギリギリになるまで審議できないような状況ではなくて、もっと早くに自民党を説得して法案を提出させるなど、総理の指導力やリーダーシップが見えなかったのではないかと党内から言われています。


控える消費税減税が政権の“試金石”に 今も折り合いつかず

高柳キャスター:
予定通りに進めば、25日に国会が閉じます。この後に控えているのは、消費税の減税です。

骨太の方針の中では8月上旬までに方針を決定するというふうに記述をされていますが、最終的にはどのように決着するんでしょうか。


TBS報道局政治部 橋口記者:
出ている議長案では、2027年4月から2年限定で食料品の消費税を1%に引き下げる案が軸になることは間違いないと思います。

しかし、与野党の考えの差はかなり大きいです。そのため、野党の意見も踏まえたいくつかの案を併記することや、もしくはまとまらなかったという結論にするなど、今も調整が行われているとみられます。


7月下旬から8月にかけて総理が決断し、閣議で決定するとみられていますが、国民会議での議論を棚上げした形で総理が決断してしまった場合、批判される可能性があります。

消費税減税を有権者に歓迎されて行った場合、支持率反転攻勢の起爆剤になる可能性もあり、今後の高市政権を占う上でも試金石になる政策だと思います。


井上キャスター:
きっと高市総理としては国旗損壊罪をはじめ、岩盤支持層が求めていた政策を実施しているわけです。

それにもかかわらず支持率が落ちていることへの疑問を抱えていることかと思います。岩盤支持層以外の人もあれだけ票を投じたものが、岩盤支持層以外の部分がちょっと離れかけている。

それをどうつなぎとめるのか、まさに高市総理の正念場になってきます。それをどう修正していこうという策があるのでしょうか?


星浩さん:
消費税減税をすれば、もちろん支持する人が増え、人気取りにもつながります。

ただし政権が弱ってくると、消費税減税のマイナス面であるインフレの加速や、2年後の増税といった面がどんどんアピールされていきます。

政権の体力が強い時なら積極的に取り組むことができますが、支持率が下がってくるとマイナス面の方がどんどん強調されます。むしろ消費税減税は政権にとっては悪い材料になりつつあるという局面に入ったと思います。


井上キャスター:
難しいですね。やらなくてもマイナスでしょうし、やってもということですね。


星浩さん:
やるマイナスの方がどんどん最近出てきているということで、そちらの方に国民の関心が向いてきています。


==========
<プロフィール>
橋口由侍
TBS報道局政治部 官邸キャップ
政権与党・外務省・防衛省などを取材

星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年


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