埼玉県の川口市長選。外国人排斥を掲げる候補らが「外国人が住みにくい街を」などと訴える異例の選挙戦となりました。
【写真を見る】「外国人はもういらない」川口市長選で飛び交う“外国人排斥” クルド人が経営する店にはYoutuberが押し寄せ…異例の選挙戦で市民の選択は?【news23】
川口市長選 “外国人排斥”候補に1万7000以上の票集まる
2月1日、埼玉県の川口市長選で初当選を果たした岡村ゆり子氏。選挙戦を振り返り…
岡村ゆり子氏
「機動隊も来て、やっぱり異様な雰囲気だなと」
その理由は、2人の候補者による「外国人排斥」の訴えです。
政治団体「日本党」公認 西内聡雄氏(1月31日)
「日本人が一番住みやすく、外国人が住みにくい街。外国人優遇政策、これ全部やめます」
政治団体「日本大和党」公認 古川圭吾氏(1月31日)
「多文化共生なんて不可能なんですよ。約束します。外国人はもういらない」
これに対し、「差別をやめろ」などのプラカードを掲げる人々が押しかけ、一触即発になる場面も。
結果として、外国人に対する過激な主張を展開した2人は、それぞれ1万7000以上の票を集めました。
事実に基づかない主張拡散「じゃあ訂正…」
古川氏は、外国人排斥を訴える埼玉・戸田市議の河合悠祐氏が代表をつとめる政治団体から公認を受けています。
そのターゲットは、川口市に住むクルド人。
政治団体「日本大和党」公認 古川圭吾氏
「クルド人は一掃します。はっきり言います。絶対に許しません」
SNSでも、数年前からこうした主張の投稿が多く見られるようになっています。
こうしたSNSなどが影響しているのでしょうか。川口市が2025年に行った調査では「市の良くないところ」という問いに対し、「治安が悪い」と答えた市民が54.1%にのぼり、過去最多となりました(2023年 31.8%)。
しかし、埼玉県警などへの取材によると、ここ5年間で川口市に住む外国人は4300人余り増えた一方、外国人の刑法犯の検挙件数は減少しています。
古川氏はこんな発言も…
政治団体「日本大和党」公認 古川圭吾氏(日本大和党 公式YouTubeより)
「奥ノ木(前)市長もクルド人から脅迫されていると本人も言っている。だから今回もう市長は無理だと。これ以上外国人に関わりたくないと」
川口市に確認したところ、「市長がクルド人から脅迫されたという事実はない」と明確に否定。古川氏に質すと…
政治団体「日本大和党」公認 古川圭吾氏
「本人が何かで話してましたよ。間違ってたら申し訳ないですね。じゃあ訂正させていただきます」
ーー選挙に名を借りたヘイトスピーチという声も上がっているが?
「ヘイトスピーチだとは思ってない。言うのは自由ですから」
「日本から出て行け」クルド人のもとには誹謗中傷メール
事実に基づかない主張が拡散する中、市内でクルド人コミュニティを率いるワッカス・チョーラクさん(44)のもとには、毎日のように誹謗中傷のメールが届くといいます。
日本クルド文化協会代表 ワッカス・チョーラクさん
「『日本から出て行け、出ていかないならクルド人を皆殺しにする』と書かれている」
2025年12月には、クルド人の友人が経営するケバブ店に突然、YouTuberの集団が押しかけてきました。
日本クルド文化協会代表 ワッカス・チョーラクさん
「なにも許可無くいきなり6人くらいで来て、お店に向けて動画撮ったり、わーわー言ったり」
“インタビュー”と称し、店主にカメラを向けるYouTuberたち。
その中心には、埼玉・戸田市議の河合悠祐氏がいました。
YouTuber
「この男、iPhone17を持ってるぞ。なぜ難民なのにiPhone17が買えるんだ?」
広がる差別や排外主義に、声をあげる人々もいます。
2025年12月、川口市でヘイトスピーチなどに反対するデモが行われ、多くの人が軽快な音楽と共に市内を練り歩きました。デモ隊に手を振る住民の姿もみられました。
選挙の度にエスカレートする、排外主義的な主張にワッカスさんは…
日本クルド文化協会代表 ワッカス・チョーラクさん
「日常生活だったり、文化が違うというのはあるので、そのキーも対話なんです。(政治家が)排除するんじゃなくて、一緒にどうすればうまくいくか、考えるべきだと私は思っています」
川口市長選 投票率は倍増「有権者が排外主義ではない候補選んだ」
小川彩佳キャスター:
排外主義を掲げた2人の候補が落選しましたが、それぞれ1万7000以上の票を集めました。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
今回、注目すべきなのは投票率の高さです。前回、2022年に行われた市長選の投票率は21.67%でしたが、今回(2026年)はなんと約2倍増の40.98%になっています。
おそらく、これは多くの有権者が「排外主義の市長が選ばれるのはよくない」と判断して、投票所に向かったのだと思います。
外国人に、日本の法律・ルールに従ってもらうのは当然のことですが、一方で、経済活動や福祉の現場では外国人の協力がないと立ち行かないということは多くの人が知っていることです。
ほとんどの人たちは「共生の道を探るしかない」と思っていて、今回、有権者は静かに判断して、排外主義ではない候補者を選んだということでしょう。この結果は、この(外国人排斥の)問題を考える上では、良い経験かなと思います。
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