本格的な雨のシーズンが到来しました。気象庁は9日夜、鹿児島県の大隅地方に「線状降水帯発生情報」を発表しました。床上浸水も発生、道路も冠水しています。災害が発生する危険度が急激に高まっています。
【写真を見る】鹿児島・大隅地方で「線状降水帯」災害発生の危険度高まる 家の中が“1メートル以上浸水”も すでに“がけ崩れ”も発生 10日も警報級大雨おそれ【news23】
9日午後7時ごろの鹿児島県鹿屋市。激しく降り続いた大雨で、道路の側溝から水が溢れています。こちらは車が動かなくなったのでしょうか、救助される人の姿も。梅雨前線の影響で、九州では局地的に非常に激しい雨が降っています。
気象庁は9日午後7時すぎ、鹿児島県・大隅地方に「線状降水帯発生情報」を発表。土砂災害や河川の洪水など、災害の発生する危険度が急激に高まっています。
指宿市では、8日から降り始めた雨量が9日午後10時までに435ミリを観測。降り続いた雨で、道路はガードレールの高さまで冠水。家の前も川のようになってしまっています。
撮影者
「あ、床上だ」
住人によると、水の高さは1メートル以上に達し、家の中は床上まで浸水していました。
指宿市を流れる川の様子。9日朝、青いラインより低かった水位は降り続く雨でどんどん上昇。午後7時ごろには赤いラインに迫るほど増水しました。
姶良市を流れる川にも“異変”が…
撮影者
「普段は川底が3分の1くらいは見えるくらい。ここまで水位が上がるのは結構珍しい。もうほとんど止むことなく降り続けている。きのう(8日)夜明け前から40時間くらい」
警察などによりますと、指宿市では市道沿いの斜面が4か所で崩れ、鹿屋市でも県道沿いでがけ崩れが起きています。いずれも、けが人の情報は入っていません。
鹿児島県・大隅地方に発表された「線状降水帯発生情報」。5段階の大雨警戒レベルのうち、避難が必要とされる警戒レベル4以上に相当する状況で発表される情報です。
鹿児島県では4年前にも線状降水帯が発生しました。さつま町では24時間に473ミリという記録的な降水量を観測。鹿児島県を中心に床上浸水や堤防の決壊、土砂崩れなど大きな被害がでました。
鹿児島県では線状降水帯が発生した大隅地方の他に、薩摩地方で大雨警報・洪水警報と土砂災害警戒情報が。宮崎県南部には土砂災害警戒情報が発表されています。鹿児島県ではこの後、10日明け方にかけて、線状降水帯が発生するおそれがあり、気象庁は厳重な警戒を呼びかけています。
本格的に始まった豪雨災害の季節。鹿児島市の観光農業公園では対応に追われていました。
グリーンファーム喜入 橋口亮 園長
「水が溜まっているので、溝を作り、水が流れるようにしています」
これは「溝切り」と呼ばれる作業。過去、大雨で植えたばかりの野菜が全滅したこともあり、排水しやすくしているのです。
こちらの施設で人気なのが収穫体験。今はスイートコーンが旬なのですが、10日はハウス栽培のミニトマトなどに切り替える可能性があるといいます。また、キャンプ場やレストランも併設されていて、心配なのは野菜だけではありません。
グリーンファーム喜入 橋口亮 園長
「例年、想定しない事態が発生。池が氾濫したり、側溝が流木で詰まる。強い雨が降った時は随時、園内を見て回る」
一方、気象庁は9日、中国・近畿・東海で「梅雨入りしたとみられる」と発表。関東甲信の梅雨入りは、いつになるのでしょうか。
河津真人 気象予報士:
9日午後6時から7時にかけての雨雲の様子ですが、鹿児島県に活発な雨雲が次々とかかった影響で、線状降水帯情報が発表されました。雲の様子を見ますと、西日本から東日本に梅雨前線による雲の帯が広がっていて、九州の西側の海上にまだ、まとまった雨雲がありますので、これが9日夜から10日にかけて広がってきます。
10日午前1時からの雨の予想ですが、今度は九州北部などに活発な雨雲がかかって、10日夕方までに多いところでは200ミリの雨が予想されています。また、線状降水帯情報が発表されてもおかしくないような状況で、土砂災害、川の増水・氾濫に警戒が必要です。
■予想降水量
<10日夕方まで・多い所で>
九州北部 200ミリ
九州南部・近畿 180ミリ
中国 100ミリ
<11日夕方まで・多い所で>
九州南部 120ミリ
九州北部 100ミリ
小川彩佳キャスター:
そして8日9日と東海まで梅雨入りの発表がありましたが、関東はいつごろ梅雨入りになりそうですか?
河津真人 気象予報士:
梅雨前線の予想図ですが、10日の方が関東などにも梅雨前線が北上してかかってくるようになります。9日は関東は雨の降り方が弱かったんですが、10日11日と本降りの雨の時間が長そうなので、10日にも梅雨入りの発表、関東甲信でもあるのではないかと見ています。
小川彩佳キャスター:
こまめに情報確認していただければと思います。
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