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トランプ大統領vsハーバード大学 がんなどの研究も「危機」3200億円の助成金凍結でアメリカから研究者が離れるおそれも 現役留学生は「強制送還されるかも」【news23】

海外
2025-04-23 16:01

トランプ政権から助成金凍結のターゲットにされたハーバード大学。21日にトランプ政権を相手取り、提訴に踏み切りました。(4月22日「news23」の放送より)


【写真で見る】ハーバード大 留学生の声は


助成金凍結でトランプ政権を提訴

アメリカ最古の大学・ハーバード大学。ケネディ元大統領やビル・ゲイツ、ナタリー・ポートマンなど歴代大統領や名だたる起業家・著名人らがその門をくぐった名門校です。


トランプ大統領
「ハーバード大学は恥ずべき存在だ。彼らのやったことは恥だ」

17日、トランプ大統領はハーバード大学を“恥ずべき存在”と糾弾。両者の対立が激しさを増しています。

発端となったのは、トランプ政権が名門大学に対して行っている”ある要求”です。


トランプ政権は、ガザへの攻撃をめぐり大学で抗議デモを行った学生を「反ユダヤ主義」だとして大学に取り締まりを強化するよう要求。


大学入試にも注文をつけ、多様性を重視した学生選考をやめるよう求めているのです。

これに対し、ハーバード大学は要求を拒否。


ハーバード大学(14日の声明)
「要請は連邦政府の権限を超えている」

トランプ政権がハーバード大学に対する22億ドル(約3200億円)の助成金を凍結する事態に発展していました。

政権の決定に学生や大学職員は…


ハーバード大学 教職員
「大学の独立性は優れた研究活動にとって不可欠です。自由な思考と真理の探求の条件です」

スウェーデンからの留学生
「ハーバードに通っているだけで、強制送還されるかもしれない恐ろしい状況です」

さらに、トランプ政権は医療研究向けの助成金10億ドル(1400億円)の差し止めも検討していて、影響はさらに広がる懸念も。

大学側は癌や心臓病・感染症などの分野の研究が危機にさらされていると主張。

大学の関連誌も今後、研究者の人員整理が行われる恐れがあるほか、研究用のサルが安楽死させられる可能性があるとも伝えています。


ハーバード大学の声明(21日の声明)
「こうした措置は、患者、学生、教職員、研究者、そしてアメリカの高等教育の国際的地位にまで、深刻な影響をもたらす」

こうした事態に大学側は21日、助成金凍結の差し止めを求めトランプ政権を提訴。

アメリカ国内の150を超える大学も共同声明を発表し、トランプ氏の対応を批判していますが、その声はどこまでトランプ氏に届いているのでしょうか。


なぜハーバード大学対立?目的は「エリートをぶっ壊す」

小川彩佳キャスター:
英科学雑誌「ネイチャー」が研究者約1600人に調査したところ、「トランプ政権の影響で出国を検討している」という研究者は約75%だということです。

文芸評論家 三宅香帆さん:
これは本当にアメリカだけの問題ではないと思っています。

ハーバード大学などのアメリカの大学は、各国から一流の研究者が集まり、一流の研究をグローバルな環境で行うという点が大事です。

そこが差し止められてしまうと、いろいろな国から集まって刺激を与え合って研究するフォーマットが崩れてしまいます。研究が国ごとに進むような状況になるのではないかと懸念してます。

藤森祥平キャスター:
トランプ大統領は、なぜここまでハーバード大学を敵視しているのでしょうか。


23ジャーナリストの宮本晴代記者によると、「トランプ大統領はエリートをぶっ壊そうとしている。トランプ支持者はエリート層に搾取されてきたと反感を持っている。ハーバード大との対立に拍手を送っている」ということです。

小説家 真山仁さん:
トランプ大統領は「アメリカファースト」「アメリカを強く」とずっと言っていますが、トランプ大統領の指す「アメリカ人」とは誰のことなのでしょうか。大統領が率先して分断の先頭を切る必要はありません。

しかも、エリートは特権階級ではなく、頑張って結果を出し、奨学金をもらってでも大学に行き社会に貢献したいという人たちです。アメリカはいろいろな物がハーバードのおかげで世界の競争力を持っていますから、「エリートをぶっ壊す」と言いながら、結果的に自分の足元を壊しているようなものです。

「自分が絶対」というトランプ大統領は、調子に乗りすぎている気がします。

藤森キャスター:
周りも止める気配がありませんね。

小説家 真山仁さん:
おそらく、止められたらクビにする人なのでしょう。

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<プロフィール>
三宅香帆さん
文芸評論家
年間350冊以上の本を読む
「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」で新書大賞

真山仁さん
小説家 「ハゲタカ」「ロッキード」など
最新著書に「ロスト7」


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