
プロ野球ドラフト会議が22日に開かれる。運命の日に吉報を待つのは、大学球界屈指の強打者、大阪商業大の春山陽登(21)。そんな春山が「一番の支え」と話すのは女手一つで4きょうだいを育て上げた母の存在だ。これまでの感謝を胸に母への恩返しを誓い、プロの舞台を目指す。
【写真を見る】大阪商業大・春山陽登、34年ぶり新記録の大学屈指のスラッガーが母に伝えたい「育ててくれてありがとう」
大学屈指のスラッガーを支えた母の存在
小学6年時にタイガースJr.でプレーし、高校は福井県の強豪・敦賀気比高に進学した春山。甲子園を経験し、その後は関西六大学野球連盟に所属する大阪商業大に進んだ。自身も「長打力がセールスポイント」と話すように、大学2年秋の神戸学院大戦では、連盟史上初の快挙となる1試合3本塁打。さらに、2012年に龍谷大・古本武尊(元中日)が記録した1試合11塁打を12年ぶりに更新し、同12塁打の新記録を打ち立てた。
今秋のリーグ戦は、3本塁打を放った。4年間のリーグ通算本塁打数を13とし、同大学OBで、横浜(現DeNA)や中日でもプレーした佐伯貴弘さんが持つ連盟記録(12本塁打)を34年ぶりに更新、歴史に名を刻んだ。7月には大学日本代表に選出。ワールド カレッジ ベースボール チャンピオンシップ(WCBC)の初代王者の一員にもなった。
大学屈指のスラッガーに成長した春山だが、ここまでの道のりを決して一人で歩んできたわけではない。春山は5歳上の兄、1歳上の姉、高校一年生の弟がいる4人きょうだい。「自分1人じゃ絶対に大学まで野球をできていない。母子家庭で子どもも4人いて、それでも何不自由なく生活もさせてもらって、そこは一番に恩返しはしたいなって思っていますし、一番の支えになっています」。きょうだいそれぞれがスポーツに打ち込んでいるが、母は一人で4人の挑戦を支えてくれた。
「育ててくれてありがとう」母に届けたい感謝の言葉
「プロへの思いはだいぶ強いですけど、自分から手を挙げていける世界ではない。人が人を決めて、評価してもらう世界なので。そのために1日1日を大切にして、評価してもらえるように日々過ごしています」
春山が大切にしている言葉がある。「幸せ捨てて幸せ掴む」だ。「『今日眠いな』とか『練習休もうかな』と思うときもあるんですけど、目先の寝たい、休みたいという幸せよりも、それを捨ててちゃんと練習して、優勝したり活躍したりする方が、幸せ度で言えば絶対に上だと思うんです」。目の前の誘惑に流されず、努力を積み重ねる。「甘えたらあかんなという思いにさせてくれる言葉。もうちょっと頑張ってみようかなって。その言葉に助けられます」。その信念を支えてくれる言葉だった。
指名を受け、プロ入りの夢が叶えば母に「ここまで育ててくれてありがとう」と伝えるつもりだ。ドラフト会議は、22日に行われる。
■春山陽登(はるやま あきと)
2004年12月10日生まれ。奈良県大和高田市出身。身長178cm体重90kg。外野手、右投右打。敦賀気比高から大阪商業大に進学。4年時に大学日本代表に選出され、8月の第1回 WCBCで優勝。4きょうだいの3番目。兄は野球、姉はテニス、弟はバスケットボールと全員部活でスポーツを経験している。
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