E START

E START トップページ > エンタメ > ニュース > 安斉星来、台本になかった涙と初めて流した悔し涙 『うるわしの宵の月』で「俳優をやっている自分を好きになれた」

安斉星来、台本になかった涙と初めて流した悔し涙 『うるわしの宵の月』で「俳優をやっている自分を好きになれた」

エンタメ
2026-10-31 08:30
安斉星来、台本になかった涙と初めて流した悔し涙 『うるわしの宵の月』で「俳優をやっている自分を好きになれた」
映画『うるわしの宵の月』(公開中)ヒロイン・滝口宵を演じた安斉星来 (C)ORICON NewS inc.
 台本には書かれていなかった涙が、芝居の中で自然とあふれた。一方で、思うように演じられず、初めて現場で悔し涙を流すこともあった。映画『うるわしの宵の月』(公開中)で恋愛映画に初挑戦した安斉星来にとって、ヒロイン・滝口宵として過ごした時間は、俳優という仕事への思いを変える経験になったようだ。

【写真】そのほかの撮りおろし写真と“琥珀”と“宵”の場面写真

 やまもり三香の同名漫画を実写化した本作は、裕福な家庭で育った学校一のモテ男子で「王子」と呼ばれる高校2年生の市村琥珀(道枝駿佑)と、容姿端麗でスマートな振る舞いから「王子」と呼ばれる高校1年生・滝口宵(安斉星来)が織りなす、不器用で美しいラブストーリーだ。自身と重なる部分も多かったという宵を、安斉はどのように演じたのか。役に向き合い続けた撮影期間を振り返ってもらった。

――宵とご自身が似ていると感じたのは、どんなところでしたか。

【安斉】私自身も「かわいい」と「かっこいい」なら、「かっこいい」と褒められる方が多いんです。そこは宵ちゃんとすごく重なるなと思いました。
  あとは、一度決めたことは最後までやり遂げたいというところ。そこは特に似ているところかなと思います。自分と似ている部分が多かったので、宵がどういう人なのかはイメージしやすかったですね。ただ、恋愛映画は初めてだったので、せりふの言い方や、ときめく気持ちをどう表現するかはすごく考えました。

――周囲が抱くイメージと、本当の自分とのギャップを感じることはありますか。

【安斉】ギャップしかないですね(笑)。以前は「安斉星来はこういう人だろう」と決めつけられることに悩む時もありました。でも、モデル、バラエティ、映画と、何を見て私を知ってくださったかによって、印象はそれぞれ違うと思うんです。
 モデルの活動を見た方には、いつも食生活に気を使って、かっこよくしている人に見えるかもしれません。もちろん気をつけるようにはしていますが、いつもそういうわけではないですし。バラエティを見た方には、よくしゃべって、あまり何も考えていない人に見えるかもしれない。
 そうした印象を全部気にしていたら、自分が分からなくなってしまう。だから今は、気にしすぎないようにしています。

――宵を演じる上で、大切にしたことはありますか。

【安斉】道枝さんも私も原作が大好きなので、リスペクトを持って臨むことを大切にしていました。現場ではスタッフの皆さんが台本と漫画の両方を持っていて、「このシーンの手の組み方はどうでしたっけ?」と、細かな仕草も確認しながら演じていました。
 その上で、監督からは、原作の形を再現することだけにとらわれなくていいと声をかけていただきました。その言葉のおかげで、構えすぎず、生身の人間として自然にできる表現を探っていけたと思います。

――道枝駿佑さんと共演して、どんな印象を持ちましたか。

【安斉】ビジュアルが琥珀に似ているなと思います。ただ、道枝さん自身は琥珀のようにやんちゃではなくて、すごく繊細な方なんだろうなという印象でした。視野が広くて、細やかな気配りができる方だと思いました。自分が先頭に立ってみんなを引っ張るというより、一歩引いたところから現場全体を見て、支えてくれる座長でした。

――そんな道枝さんと、現場ではどのようにコミュニケーションを取ってシーンを重ねていったのでしょうか。

【安斉】 宵を演じる上でも、道枝さんのその立ち居振る舞いにすごく助けられました。宵は琥珀に振り回される役なので、道枝さんのことを知りすぎて、仲良くなりすぎると、お芝居に影響が出そうだなと思っていたんです。道枝さんが適度な距離感で接してくださったので、リアルな緊張や戸惑いをそのままお芝居に乗せることができました。

――最初は「迷惑」と感じていた宵が、徐々に琥珀に惹かれていく心情のグラデーションも本作の見どころです。監督とはどのように相談して演じ分けましたか?

【安斉】宵にとっては、あごに触れられることも、男性に触れられることも初めての経験でした。迷惑だと思いながらも、自分の恋心に気づいていないだけだったんじゃないかと思うんです。「あの人、何なんだろう?」とずっと考えてしまっている時点で、すでにひかれている。出会った瞬間に心を奪われていたんだと思います。

 ただ、恋をしても、宵が素直にときめきを表に出すかというと、そうではない。その気持ちをどのくらい表情や仕草に出すかは、監督とかなり話し合いました。「キュンにもいろいろな種類があっていいよね」とお話ししながら、丁寧に探っていきました。

――原作でも屈指の人気を誇る「夏祭り」のシーンは、スクリーン越しにも強い熱量が伝わってきました。

【安斉】自分の思いを初めて伝える場面なので、聞き取りやすい範囲で早口でまくし立てることを意識しました。今まで溜め込んできた想いを一気にぶつける勢いを大切にしたかったんです。実は、台本のト書きには「泣く」とは書かれていませんでした。でも、胸の中に溜めていた言葉を一気に吐き出したら、自然と涙が出てしまって。それが正解なのか自分では分からなかったので、監督に「泣いちゃいました」と相談して、何パターンも撮り直していたんです。

――宵として過ごした時間は、ご自身にとってどんな経験になりましたか。

【安斉】ずっと宵ちゃんのことしか考えていませんでした。普段はオンとオフを切り替えられて、家やお風呂ではスイッチをオフにできるんです。でも、今回はそれが全くできなくて。ここまで役のことが頭から離れなくなったのは初めてでした。

 作品をより良くしたいという思いや、滝口宵という役を全うしなければという責任感もあったと思います。「これが役者としての楽しみなのか」と思えた一方で、思うように演じられなくて、初めて現場で悔し涙を流したこともありました。

 いま思えば、それだけ本気で役に向き合っていたんだと思いますし、監督やプロデューサーの皆さんが、弱みを見せてもいいんだと思える環境を作ってくださったからこそ、自分をさらけ出すことができたんだと思います。

――俳優としてのキャリアにとって大きなターニングポイントになりそうですね。

【安斉】本当に出会えて良かったと思える役であり、作品でした。俳優という仕事を、俳優をやっている自分を好きになれたのかもしれません。「いろんな役に挑戦してみたい」と心から思えるようになりましたし、今は何でもできる気がしています。

撮影:松尾夏樹
ヘアメイク:あきやまひとみ
スタイリスト:柴田一宏

関連記事


道枝駿佑「完璧ではない」“王子”のイメージの先にある素顔 『うるわしの宵の月』で演じた不器用な恋
【写真】王子様じゃん…透明感がすごい道枝駿佑
【写真】儚げ…微笑み手を振る道枝駿佑
【写真】釜山国際映画祭 うるわしい…笑顔で手を振る道枝駿佑
【写真】筆を手にキュートな表情の道枝駿佑

ページの先頭へ