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『テレビ朝日新人シナリオ大賞』第25回大賞が決定 岡田惠和氏も絶賛「脚本のレベルとしては即戦力」

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2025-10-30 12:56
『テレビ朝日新人シナリオ大賞』第25回大賞が決定 岡田惠和氏も絶賛「脚本のレベルとしては即戦力」
『テレビ朝日新人シナリオ大賞』受賞者(前列)&審査員(後列)(C)テレビ朝日
 2000年7月の創設以来、数多くのシナリオライターを輩出してきた『テレビ朝日新人シナリオ大賞』(主催・テレビ朝日、後援・朝日新聞社、BS朝日、東映、幻冬舎)の第25回受賞者が決定した。

【写真】賞金500万円!大賞を受賞した近藤佳菜子氏

 同賞は25年におよぶ歴史の中で、古沢良太氏(映画『ALWAYS 三丁目の夕日』、『探偵はBARにいる』シリーズ、『レジェンド&バタフライ』、ドラマ『相棒』『ゴンゾウ』『リーガルハイ』、大河ドラマ『どうする家康』)、坂口理子氏(スタジオジブリ作品『かぐや姫の物語』、朝の連続テレビ小説『マッサン』、映画『銀河鉄道の父』、『てっぺんの向こうにあなたがいる』)、小峯裕之氏(『家政夫のミタゾノ』シリーズ、『時効警察はじめました』、『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』『プライベートバンカー』)、伊藤洋子氏(『遺留捜査』『刑事7人』)など多数の才能を見出してきた。

 今回は、2025年3月3日の締め切りまでに計825篇の応募があり、第1次選考は日本脚本家連盟に所属する脚本家らによって行われ、200篇が通過。第2次ではテレビ朝日・東映のプロデューサー、ディレクターなどで構成された社内選考委員会の選考により、52篇が通過。第3次選考では、テレビ朝日の社内選考委員によって10篇に絞り込まれた。

 そして、10月6日、選考委員の井上由美子氏、岡田惠和氏、両沢和幸氏による最終選考会が行なわれ、3篇の受賞作品が決定。大賞に輝いたのは、近藤佳菜子氏の『告解(こっかい)』。また、優秀賞には、藤代耕平氏の『清らかな慕情』、寺井靖博氏の『盗作者たち』が選ばれた。

 大賞を獲得した近藤佳菜子氏の作品『告解(こっかい)』は重層的な事件を、緻密な構成と独創的な設定で描いた力作。物語は、“正直”であることこそが正義だと信じる家庭裁判所調査員が、兄殺しの少女を担当するところからはじまる。彼は少女の供述に疑念を抱くが、時を同じくして自身の父の遺品から殺人を告白する手記を発見。亡き父の殺人容疑と少女の秘めた動機が絡み合い、やがて予想だにしなかった衝撃の真実が明らかになる――というミステリー。

 近藤氏は「私はずっと小説を書いてきて、今回、大賞をいただいた『告解』という作品も、いつかミステリーにしようと思いつつ、なかなか形にできずにいました。そんな中、昨年、思い立ってシナリオスクールに通いはじめ、コンクールにも挑戦する中で、テーマがミステリーということが発表され、これはいいチャンスだと思い、応募に至りました。長年、創作を続けてきましたが、プロの方に自分の書いたものを読んでいただけるのは、私にとって夢のまた夢のような出来事でした。いただいた賞を励みに、今後も精進していきたい」と感激の面持ちであいさつ。

 また、「自分の正しさのために正直でいる人間と、正しさのために嘘をつく人間…。そんな2人の対比を描きたいと思い、構想を練っていたのが、この作品のスタートです」と受賞作の着想を明かしたほか、“今後、テレビ朝日でドラマを描くとしたらどんな作品を手掛けたいか?と取材陣に聞かれ、「今回初めてミステリーを書いたのですが、とても楽しく書けたので刑事ドラマに挑戦してみたいと思っています。受賞作のラストはバットエンドにしたのですが、本来はハッピーエンドが好きなので、明るい物語も書いてみたい」と展望を語った。

 選考委員からは、「脚本のレベルとしては即戦力になる方。大変よく推敲されていて、多くの俳優さんが演じてみたいと感じる脚本だと思う」(岡田氏)、「派手な仕掛けはないものの、しっかりとした軸のある物語で、現在捜査中の事件と過去の事件が合わせ鏡のようになっているところが松本清張と北欧ミステリーのようで魅力を感じました。登場人物の心情を丁寧に追いかけているところもとてもいい」(井上氏)、「実は『告解』は3人とも点数が高かった作品。重層的な作りで複数のストーリーが進行して最後に結びついて事件が解決する…。その構成の緻密さには非常に感心しました。映像化したら見てみたい作品」(両沢氏)と絶賛する講評が寄せられた。

 このほか、優秀賞に輝いた寺井氏は「このテレビ朝日さんのコンクールで最終に残ると同時にNHKさんのコンクールにも最終に残っていたのですが、両方とも落ちたと思い込んでふて寝をしていたら、その日の夕方、テレビ朝日さんから着信がありまして命拾いをしました(笑)。本日、この場に立たせていただいて、本当にありがたく思います。“特撮オタク”でもあるので、『仮面ライダー』や『スーパー戦隊』シリーズなど書かせていただけるのなら、ぜひミステリーのエッセンスを加えて書きたい」と喜びを語る。

 藤代氏は「自分は学生時代に演劇に打ち込んでおり、社会人になって仕事と演劇を両立させたいという思いから脚本を書きはじめるようになりました。最初は趣味でもいいと考えていたのですが、本当にやりたいことを仕事にしたいと思ったとき、脚本家として生きていく覚悟を決めなければと考え、コンクールに応募するようになりました。本日、テレビ朝日に足を運ばせていただき、改めて自分が大変うれしい賞をいただけたんだなということを実感。自分にとってこの賞が脚本家としてのゴールではないので、これからもっと精進して、いいものを作り出していけるよう精一杯頑張っていきたい」と決意を新たにした。

 なお、大賞には賞金500万円、優秀賞には100万円が贈られ、授賞式では受賞者の3人にテレビ朝日代表取締役社長・西新より賞状が贈呈された。

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