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トランプ大統領80歳の誕生日に「合意が成立」 19日スイスで署名へ“米イラン合意”の背景と課題は【news23】

海外
2026-06-16 13:01

戦闘終結への一歩となるのでしょうか。アメリカのトランプ大統領が「イランとの合意が成立した」と発表しました。15日のニューヨーク原油市場ではホルムズ海峡の開放への期待が高まり、取引開始直後に2026年3月以来初めて1バレル=80ドルを下回りました。


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トランプ氏 80歳の誕生日に「イランと合意成立」と発表 株価は7万円目前へ

トランプ氏(SNSより・14日)
「イランとの合意が成立した。みなさん、おめでとう!」


イランとの戦闘終結に向けた交渉をめぐり、「合意が成立した」と発表したアメリカのトランプ大統領。日本の株式市場も早速、反応しました。

15日の日経平均株価は上げ幅が一時3600円を超え、史上初の7万円が視野に入る水準まで一気に上昇。終値は6万9317円と最高値を更新しました。


実は、“合意の成立”を発表した6月14日はトランプ氏の80歳の誕生日。これに合わせ、ホワイトハウスで開催されたのが、トランプ氏が主催した世界最高峰の総合格闘技団体「UFC」の試合です。臨時のアリーナが設営されたのは、ホワイトハウスの庭。


記者
「ホワイトハウスに隣接する広場です。UFCのビューイングイベントに大勢のファンが駆けつけています」


格闘技のファン
「誕生日に格闘技をやるなんてマジでクールだよ。トランプはそれをやってのけた」


試合の合間には、「Happy Birthday To You」とトランプ氏の誕生日を祝う声も。


ただ、この間にもトランプ氏のSNSには「合意署名により機雷除去のために海峡が開放されれば、地域と世界のために石油が再び海峡の両端から流れ出すでしょう!」との投稿が。


FOXニュースの電話インタビューに答えたバンス副大統領は「合意」について、こう説明しています。


バンス副大統領(14日)
「第一にホルムズ海峡が直ちに開放されること。そして、それに伴いイランの海上封鎖も解除される」


このほか、「イランが核兵器を保有することはなくなる。開発を追求せず、購入も認められなくなる」と強調しました。


イラン側は「軍事的成果」を強調 19日スイスで署名へ

一方のイラン・ガリババディ外務次官は「覚書を最終決定した。イラン側のすべての重要な立場を盛り込んでいる」とし、合意については「イランの軍事的成果によるものだ」と強調しました。


覚書の内容は19日にスイスで署名した後に公開されるとしています。


また、今後60日間で核問題などをめぐり最終合意に向けた交渉が行われる見通しで、ホルムズ海峡をめぐっては、イランの革命防衛隊に近い「タスニム通信」が「19日の署名後に通航が再開される予定だ」と報じています。


戦闘の終結に向けては、イスラエルがレバノンの親イラン組織「ヒズボラ」への攻撃を停止するかが焦点の一つとなっています。


イラン側は「レバノンを含むすべての戦線における、戦争および軍事作戦の即時かつ永久的な終結が発表される」としていますが、14日にもレバノンの首都ベイルートで攻撃があり、3人が死亡しました。


トランプ氏はネタニヤフ首相に、「一体、何をやっているんだ」と問いただし、合意の妨げにならないようにヒズボラへのさらなる攻撃を行わないよう求めたということです。


イラン側は“狙い通り”か?「核問題」「イスラエルの動き」ポイントに

Q.今回の合意について、イラン側は「成果」を強調しているということですね?


増尾聡 中東支局長:
イランとしては、今回の合意は「軍事的な成果によるもの」だと強調し、「自分たちの勝利」とも言っています。


確かにアメリカは、軍事的圧力によってイランに核問題での譲歩を迫っていましたが、それを実現することはできませんでした。反対にイランは、まず戦闘を停止して、核問題の決着を先送りするということに成功したわけです。


覚書の全容はまだ明らかになっていませんが、イラン側としては限定的な妥協で合意に持ち込めたとみられます。


そして今後は、長年続く経済制裁の解除につながる可能性もあり、イランとしては軍事力で劣る中でも戦略的な戦いで戦闘停止に持ち込んだわけです。


Q.今回の合意は、戦闘終結や完全な事態の沈静化につながっていくのでしょうか?


増尾聡 中東支局長:
戦闘停止という意味では、今後も綱渡りのような状況が続くと思います。


私が最も懸念しているポイントは、今後のイスラエルの動きです。


イスラエルは、停戦中もレバノンに対して攻撃を続けてきました。今回、レバノンでの終結も盛り込まれていますが、もしイスラエルが今後もレバノンへの攻撃を継続すれば、イラン側は「明確に合意違反だ」と反発せざるを得なくなるわけです。


トランプ大統領がイスラエルをどこまでコントロールすることができるのかというのも、今後の行方を左右することになってきます。


トランプ氏が誇る成果は“元に戻っただけ”? カードは両者に…交渉どうなる?

Q.今回の合意で、トランプ大統領側が勝ち取ったものはありますか?


涌井文晶 ワシントン支局長:
トランプ大統領は「石油を積んだ船団がホルムズ海峡を抜け始めた」とSNSに投稿し、ホルムズ海峡の開放を成果だと誇りました。これはG7の会合でも各国に対してアピールするとみられます。


ただ、ホルムズ海峡の自由な航行は、アメリカがイランに攻撃を始める前はそもそもできていたことなので、元の状態に戻っただけで、成果として「勝ち取った」とは言えないのではないかと思います。


もともとトランプ大統領は、イランに対して核の放棄も含めた“無条件降伏”を突きつけて攻撃を行っていたわけですが、ホルムズ海峡の封鎖という逆襲にあい、それがなかなか解決できず、なす術がないというような状況になってしまった。結果として、かなり譲歩した形でもイランとの合意に動きたかったというのが内実ではないかとみています。


Q.今度こそ本当に最終合意に至るのでしょうか?


涌井文晶 ワシントン支局長:
これがなかなか見通せないというのが現状です。


イランの核問題が大きなポイントになってきますが、両国は今後、60日間の交渉に入るとみられています。


トランプ大統領は、協議が物別れに終われば再び攻撃するかもしれないというような可能性も示しながら、イランに圧力をかけて譲歩を引き出そうとしていますが、濃縮ウランの扱いをめぐる両国の立場は、現時点では全く相容れない状況なので、交渉はなかなか難しいとみられます。


また、トランプ大統領の圧力に対してもイラン側はホルムズ海峡を再び封鎖するというカードを持っている状況なので、トランプ大統領の思う通りに進むことも考えづらい状況です。


トランプ大統領に問われる“裏合意疑惑”と“戦争責任”

小川キャスター:
不透明感が漂う中で、今後を占うポイントはどういうところになるのでしょうか?


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
イランには約240億ドルの凍結資産がありますが、今回アメリカがイラン側から譲歩を引き出すために「その一部を解除してもよい」という“裏合意”があったのではないかと、ワシントンのメディアや議会でいわれています。


議会はすべて報告するようにと言っていますが、今後、その点がどこまで解明されてくるか。この問題をめぐってさらに揉める可能性もあるかもしれません。


また、今回のトランプ大統領による“無謀な戦争”ともいえる攻撃により、子どもを含む多くの民間人が犠牲になっています。戦争を始めたトランプ大統領の責任についても追及する必要があると思います。


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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
政治記者歴30年 福島県出身


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